第1章〈ここは冥府?〉

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「道が途切れていて、それ以上どうやっても進めんのじゃ」  おじいさんが補足した。 「どうやら我々は道の外には出られんようじゃ。そこのチューリップに触ってみな」  おじいさんに促されて、あたしとオバサンは道端に咲く色とりどりのチューリップを見る。道から一メートルほど離れており、手を伸ばすだけでは届かず、やむなく道から一歩踏み出そうとした。  と、道の外へと出しかけた爪先が空気に押し返された。
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