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(……探したりとか全然してないときは、ひょっこり現れて引っ掻き回して行くくせに…)
受付の出窓からは、閑散とした事務室が見えた。
真近に座っている、ショートボブに黒縁メガネの女性に出窓越しに声をかける。
「…あのぅ、すみません…」
かなり可愛い目のハート柄や派手なロゴの散りばめられた、ショーンのジャケットにはおよそ不似合いな大きな袋が受付に置かれている。
受け取るときすごい気まずい思いをするかもしれないけど知るもんか。
ショーンのゴツい上着が入れられる袋が他に無かった…、
というのは言い訳で、敢えて最初に目についたこの柄のバックをチョイスした気がする。
「何かご用件ですか」
黒縁メガネの女性はなぜか、やや警戒気味に出窓を開けて応対した。
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