第12滑走『Once upon a time in Japan』

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「あの、ショーンにこれ渡したくて…」 「どなたですって?」 黒縁メガネの奥がキッ、と光った。 …うっ、やりづらい…。 ただ聞いてみただけなのに、怒られてる気がする……大人でも時々いるんだよね、こんな人。 (負けるな私) 「あの、こちらに金髪で背の高い清掃のバイトの方いますよね。その人の上着預かってて…」 舞愛はショーンの頭のあたり(目測)まで手をかざして説明した。 一瞬、『なんなのよキー!!』って掴みかかられたらどうしよう…という軽いトラウマがぶり返す。 「ああ岩垣さんね。横谷さん」 黒縁メガネ女史が少し声のトーンを柔らかめにすると、 たまたま用があったらしく事務室を訪れた警備員のオジサン(たぶん顔馴染み)に声を掛けた。 (い、いわがきサンて…誰っ?) (ショーン…偽名?!) 何だって次から次へと怪しげなボロが出るんだあの人は。
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