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「中田………先輩。様子見てもらうだけでいいですから。コウタくんに余計なこと言わないで下さいね。
あと風邪が絶対うつりますから、コウタくんの半径3メートル以内に近づかないで下さい」
「いや、コハルちゃん。
3メートルは遠すぎるよ」
「じゃあ、2メートルに譲歩(じょうほ)します。
その代わり、絶対コウタくんには触らないで下さい」
「あはは。コハルちゃんは心配性だなー。
大丈夫だよ。俺、風邪はあんまり引かないし」
「……………」
バカが風邪引かないのは、頭から承知のすけだ。
心配なのは、コウタくんの貞操のほうだっての。
恨みがましく真知ちゃんの後ろで中田を睨んでいると、
「コハル。頼みごとしてるのに失礼よ」
振り返った真知ちゃんに、げんこつを落とされた。
頭を押さえてシュンとうなだれる。
中田はちょっと考えてから、良いこと思い付いたとばかりに、顔を輝かせた。
「ねえ、コハルちゃん。
コウタに顔合わせづらいんだったら、ついてきて近くで待ってたら?
玄関に呼び出せば、コウタの様子も少しはわかるだろ?
上手くすれば、仲直りするチャンスもあるかもしれないよ?」
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