プロローグ

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「ただいま~!!」 勢い良く玄関を開けると靴箱の上にバスタオルが置かれていた。 靴と一緒に靴下を脱ぎ、バスタオルで包まる。 「菜々実? そのままシャワー浴びちゃいなさい」 キッチンから母の声がして、私は『はーい!』と返事をしてそのままバスルームに向かった。 「う~流石に寒い~」 服を脱ぎ捨て熱いシャワーを頭から浴びた。 ふと目の前の鏡に目をやり違和感を感じた。 「え?」 鏡の中の私の左胸に会社を出るまでなかったはずの痣ができていた。 「なにこれ!?」 私は曇りかけた鏡にシャワーを掛けもう一度よく見てみる。 触ってみても痛くもなんともない。 知らない間に打ったのだろうか? この時は多少の気味の悪さを感じただけで、数日で消えるだろうと安易に考えていた。 まさかコレがすべての始まりだったとは思いもしなかった。
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