第一章―新たなる旅立ち―

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「……見えねェぞ?」 振り返ったフェイトが見た空には何も映ってはいなかった。ただ青い空が膨大な規模で広がっているだけ。 「あ、まぅめっちゃ目ぇいいにゃん。そこんとこよろしくー」 「よろしくちゃうわい! R・B、運転代われ!」 「あいよ」 運転席から飛び出したツヴァイは荷台に飛び降り、乗せていた愛用の狙撃中〝バグノート〟を専用の収納トランクから取り出し、スコープを慣れた手つきで取り付け、遥か後方の空を覗く。 「方角はどっちや?」 「あっちにゃん」 ミーシャが指さした方向は北西の青空。まだ黒い小さな点にしか見えないが……。 「やっぱ来よるか、R・B! この先に帝国領にかかっとる穴場がある! そこで自分らを爆撃しよる気やッ」 「どうしろっつうんだよまったくよー」 ハンドルを握りつつ悠長にそう言うフェイトとは裏腹に、ツヴァイは急いで敵機影を確認する。 「ナイトイーグル……とんでもない数やな。両翼に機銃とミサイルと……橋を落とす気かもしれん! 全力でアクセル踏みこめッ」 「ああ、それな。さっきやったら折れたわ」 「……」
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