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親が死んだとかでなく両親ともに家を飛び出したからだ。
もう何十年も前の話なので細々した所は忘れてしまったが、初めは母が出ていき程なく父が出て行った。
原因は父の浮気である。
ちょっと注意しておくが浮気自体は何回もしていたようで、母も何とはなしに感づいていたし証拠物資も出てきていた。
ただ、変わった母で浮気ぐらいは良かったらしい
何せ母から自分の家庭教師とも関係があったと聞かされたくらいだ。
さすがに子供の家庭教師に手を出す父には呆れかえったが。
いずれコレらの話はするがとりあえず高校の話に戻ろう。
とりあえず両親ともに(食料やら金はくれたが)出て行ってしまった。
普通は多少なりとも悲観にくれるだろうが、そんな二人の子供だ。
泣き暮れるということは無かった。
良く考えて欲しい、高校生という青春の真っ只中、止める親は居ず学校の先生の目も届かない……
まさしく子供の理想空間である。
ちなみに(たまにサボったが)学校には正しく通っていた。
不良だったわけでも無く、別段学校にも何も無かったし何故かしら毎日学校には行くものと思っていたからだ。
通学途中の暑さや寒さやしんどさには心底うんざりしていたが
家にはそれこそ何でもあった。
本は小さな図書館程に古いのから新しいゲームが(スーファミからゲームキューブまで)沢山、棚いっぱいに積み込まれた食糧まであった。
屋上には菜園があって子供用のプールには鯉やら金魚がいた。
何より今の自分を作ったと言ってもいいPCがあった。
それらが24時間いつでもなんでもしたい放題、堕落するのも無理はない状態である。
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