猫の言葉

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その夜 調子が悪かったので薬はドコにあるかと母に聞いたが 「飲まなくていい」 だそうだ。 あらかじめ引き出しの中にあった薬を飲んだ よし、コレで大丈夫だ。 布団に入り、猫の言葉を思い出す。 ----久しぶりだから嬉しくなっちゃってさ。 居ない、居るはずが無い。 居てたまるか。 目を瞑る。 様々な思い出が瞼の裏側を流れていく。 小学生の時の事、幼稚園の時の事。 家での事、1年前からの事。 この、能力の事。 いくつも疑問がある。 ・・・・・時々聞こえる妙に落ち着く声の事も。 あれはお父さんかもしれない。 小学6年生の春、急にお父さんが死んだ。 もともと心臓が悪く、死因は心筋梗塞らしい。 心筋梗塞という病気についてはよく、解らないがとても・・・とても悲しかった。 僕の1人だけのお父さんだった。優しくて、面白くて、明るかった。 思い出したら悲しくなってきて涙が出てきた。 袖で涙を拭き、何時の間にか僕は夢の中に落ちていってしまった。  早朝 <おいそこ俺の場所だからどけよ!> 『いやだね!ここは新しく俺の場所になるんだ!』 「・・・なんだかおかしな夢を見たなぁ」 小鳥の鳴き声はチュンチュンだったっけ。 その日の朝はとても太陽の光が眩しく照り付けていた。 そしてその日の昼に最高気温が更新される事になる。
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