第一章 コップの水は溢れない《事件解決編》

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「アハ……アハハハ……」 そして次の瞬間、彼女は顔を上げて狂ったように笑い出す。 「アハ! アハハハハ! アハハハハハッ!」 その豹変振りに、七色は顔を引き釣らせずにはいられなかった。 そしてそんな七色に反し、黒指姫はどこか呆れたように呟く。 「あーあ、スイッチ入っちまった」 黒指姫の視線の先で、ふらつきながらも踵を返してドアへ向かう白頭巾。 そんな白頭巾の背に、clearは激励を浴びせた。 「頑張って負けてきてね、白頭巾。期待してるから」 しかしその言葉も聞こえていないかのように、白頭巾はただ無反応で歩を進める。 そして白頭巾は皆に背を向けたまま、そっと銀の仮面を外した。 「白木 鷲座……。お前だけは……必ず……」 呟いて、白頭巾はそっとドアを潜る。 灰と鷲座の元に迫る、大鎌を構えた死神――。 犯罪組織ベルセルクの刺客、白頭巾は、一人邪悪な笑みを浮かべるのだった……。 【第一章 コップの水は溢れない】            完
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