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「つまり……響祐さんと多恵さんは、兄妹ではなかったってことでしょ?」
夏海が言った。
「その通りよ」
「ということは、私と亮先輩の間にも血縁関係がない?」
「ありません」
祖母は、きっぱりとした口調で言った。
鈴音の心が、言い様のない幸福感に満たされていく。そして、ふと思い付いたように尋ねた。
「お祖母さん。お花屋さんしてたんでしょ」
萩乃はそれを聞き、満足そうに首を縦に振ってから言った。
「日本一幸せな花屋だったわ」
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