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放課後、[いっちゃん、今日友達と遊んでくるね]と詩織からのメールを確認する。
暇だな。
俺も何かやらないとな。
そう思いながら、何も浮かばない。
それに眠いし、ダルい。
「いいい樹くん、今日暇ですか?」
意を決したような顔で宇野が誘ってきた。
「暇じゃない」そう言い切ると、ショックを受けた顔をする。
こいつの顔うけるな。
思わず吹き出して笑う。
「笑った」と宇野が目を輝かせた。
「あっ……ああ」
だって、うけるだろ、お前の顔。
「樹くん、今度、遊ぼう」
その子犬みたいな人懐っこい顔につられて「おう」と言ってしまいそうになる。
少し考えた顔をして「今度な」と言い放つと、飛び跳ねて喜んだ。
無邪気な女。
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