エピローグ

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 そこでガルンは単純なトリックに気がついた。     その理屈にはアズマリアもほぼ同時にたどり着く。  忘却公の結界が、王子が通り抜けた後に設置されたものならば何ら問題は無い事に。  しかし、それではまるで、王子が帰還するまでの時間稼ぎで設置された結界のようにしか見えない。 「くだらない真似をしてくれる。どう贖ってもらおうか」  ガルンの身体から抑えていた殺気が漏れ出し始めた。  その気配に気がついて、アズマリアの方が我に返る。 「まてガルン。裏が取れるまでは手荒なまねをするなよ? 現状を鑑みろ。パリキス殿下のいたシュバルツェン・パシェッエンが吸血鬼に襲われたのだ。この場所の安全性を危惧して、サランディード殿下が別の安全な場所にお連れした可能性がある」  その無理矢理な発言に、ガルンの冷ややかな視線が突き刺さる。 「では、何故その事を部下に伝えない? このカモフラージュのような結界は? そもそも安全な場所とはどこを指す」  アズマリアの背に寒々しい程の悪寒が走る。        
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