♪バレンタインデーキーッス♪

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  「邪薙ぎ!」 インセインを召喚し、牽制する。 扉付近が丸ごと吹き飛び、土埃で辺りの視界が潰れる。 【---行かせないよ】 「くっ・・・!!」 化け物は、難なく邪薙ぎを止めていた。今、一体何をした?やつの周りだけが無傷だ。 【---僕に異能は効かな】 「死ねぇ!!!!」 やつの後ろから一閃。この声は! 「クラウ!」 身体中に火の粉を纏った紅龍、クラウだった。 「プルートが紀を呼んでいる、それまで逃げるぞ!」 その意見に首肯し、弾けるように外へ翔ぶ。 【---痛いなぁ。幻想殺しでも消えないってことは、それは偽物だね】 右手に光の粒子を集めて剣の切っ先のような形を作った化け物は、一足で此方へと跳躍してきた。 【---さぁ大人しく、死ね】 クラウに腕を伸ばしたが、クラウは剣の腹で受け流した。 だが、相当のダメージがあったようで、苦悶の表情を浮かべている。 【---やはりゲイザーではダメか。約束された勝利の剣】 きらびやかな装飾の、何処か神聖な剣を瞬時に作りだし、無造作に此方に振るった。 「避けろッ!!」 光の大砲のようなそれが私を襲った。クラウが私を押したが、その右肩が切り裂かれた。 「ぐ、ぁ・・・」 「クラウ!」 「く、逃げるぞ・・・!」 右肩を抑え、剣を捨てて私を叱責するクラウ。 このままだとクラウが死んでしまう。
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