君への気持ちは…

5/62
417人が本棚に入れています
本棚に追加
/397ページ
「厳しいことを言うかもしれないけどさ…」 真剣な表情の南がそう前置きをするから、あたしもごくりと息をのんで姿勢を正した 「桜は福本平に裏切られたから、福本真でもいいやって気持ちで付き合い始めたの?それで、福本平が自分を好きだとわかったら、やっぱりこっちかも!どうしよう!わかんない!って?……そんなの福本真が可哀想すぎるよ……」 その言葉はグサリと心に刺さった 南の言うことはもっともで、返す言葉がなかった 「どうしよう、わからないって、今のこの状況じゃ当たり前だし、すごく分かるけど、そんなこと言う前に、ちゃんと自分の気持ちと向き合って。二人の真剣な気持ちと同じくらい桜も真剣に考えなきゃダメだよ」 厳しい言葉かもしれないけど、今のあたしはこうして誰かに言われないと自分の優柔不断さとか相手への誠意のなさに気づけなかったのかもしれない そう心から思うほど、衝撃だった
/397ページ

最初のコメントを投稿しよう!