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私は誰?
此処は何処なの?
私の悲鳴が聞こえますか?
ガチャーン
硝子の割れる音で少女は覚醒した。
少女の名前は柴崎悠(シバサキユウ)15歳、高校生、至って普通と言える家庭の娘だ。
髪は茶色を帯びた黒、くせ毛であらゆる方向に跳ねている。
顔は良くも悪くもないものだが、少し丸い。
容姿は全体的にふくよかで胸はそれなりに発達し、脂肪も筋肉も結構ついている。
そして、言動が荒い。
「台無しだな…」
悠は割れた硝子、自分のコップだったモノを見下ろした。
床には未成年が飲むハズもない酒が虚しく広がっていた。
「せっかくの酒がもったいねぇ……」
そう呟くと悠は割れた硝子をそっと拾う。
白い指に赤い花が咲いた。
それは痛みを伴うが彼女は無表情のままである。
「絆創膏が要るなぁ…」
やはり、少女はただ呟くだけである。
まるで、生気がない。
目が虚ろで大きな隈が白い肌に染み付いていた。
パソコンが闇の中不気味に光り、少女を照らした。
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