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プロローグ
(0) 基盤世界へ…
・・・
目を閉じていたのは、眠っていたからではない。
赤い…光。いや。これは彼の光。だから…色の名は「緋色」。
同じ緋色の夕闇の中。彼とは…もう…別れを済ませてある。
言葉を交わしたりはしなかった。
私が彼の目を見つめ。彼はその私の目を見つめ返してくれた。
目と目で会話ができる…などとは言わない。
でも、彼の…マモル殿の気持ちは…私の心にちゃんと伝わり…
そして、私の心も…マモル殿に伝わったはずだ。
この気持ちが恋と呼ぶべきものか、愛と名の付くものか…それとも全く別のそれらを超越した名も無き想いなのか…それは…私にはわからない。
でも確かに…二人は繋がっていた。それが、詠唱者と守護者の絆ではなかったとしても。
そう。私だって気づいてはいた。
マモル殿と下腹を通じて要素の循環する感覚…その詠唱者と守護者とを結びつける力の輪が…あの隠れ家としていた倉庫への襲撃を凌いだ以後…消えてしまっていたことを。
・・・
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