3人が本棚に入れています
本棚に追加
/173ページ
act,0 リント
「はぁ……はぁ……もう追ってこないな? おっせんだよバーカ!」
誰もいない道の先に向けてベロを出した。
先程肩がぶつかっただけで激怒しだした、バカなヤンキーどもから逃げたところだ。
ヤンキーどもがいないことを、周囲を見渡して確認すると、俺はとある花屋へと向かった。
「もう。また喧嘩したのリント? 流石に幼馴染みの私でも、面倒見てあげないよ?」
「見なくても良いんだよバーカ」
ため息をついて、俺の頬に絆創膏をはったのは幼馴染みのライム・フランク。
「素直じゃないんだから」
オデコにデコピンされた。
ライムは白くてさらさらした髪を、肩まで伸ばして、片方の髪を纏めている。
なんて言うんだ? この髪型?
「私達、もう十四歳なんだから喧嘩はやめなよ」
救急箱をしまいながら、ライムは注意してきた。おおきなお世話なんだよ。
「私達幼馴染みじゃない? リントは、私のことどうおもってる?」
すこし頬を赤く染めて聞いてきた。意味がわからん。
「どうも思ってねぇよ。絆創膏ありがとうな」
「あ、ちょっとリント!」
お礼を一応言って花屋を出た。
最初のコメントを投稿しよう!