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そこは紛れもなく、高校に入って最初の夏休み、お互いの気持ちを伝えあったあの場所。
長期休みの1日練習の日に一緒にお弁当を広げた場所。
そしてー。忘れる事の出来ない‥ファーストキスを交わした場所。
プレハブ校舎の外壁を背に優は座った。
グイッと手を引かれ、私も優の隣に静かに座る。
いっぱい思い出が詰まるこの場所に居るだけで、走馬灯の様に思い出達がこれでもかっ!てくらい私を襲ってきた。
そしてまたスーッと涙が流れた。
「亜沙美、もう泣くなよ。」
優は、頬を伝う私の涙を優しく拭ってくれた。
「亜沙美は笑ってる顔の方が、可愛いんだから‥」
そう言うとまたグッと私の身体を引き寄せ抱きしめてくれた。
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