一 無関心な会長

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「またリコールする人数が増えたよ。生徒会も大変だなぁ。親衛隊も半分以上減ったって聞いたぞ?」 資料を一枚人差し指と中指で摘む。 俺は露骨に嫌な顔をしてその資料を恵悟に渡した。 「……被害届?」 『名前は矢倉 斬雪(ヤグラ ザンセツ)。俺の会社に続く大手企業の社長の息子だそうだ。』 カタカタと再度パソコンを打つ音が響く。 「はぇ?」 『理事長も厄介な奴を入れたな。お前も気をつけた方がいい。矢倉の坊ちゃんに手を出した奴は実際、現在路頭に迷っている。』 手を止めて恵悟を見ると未だにポカ-ンとしていた。 俺の視線で我に返ると何故か笑顔で言った。 「静慈、心配してくれるんだ…。嬉しいよ。あの冷血と言われた会長様が…ね。」
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