プロローグ

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二人共顔を青くし、俺の様子を伺うと父が真剣な顔で俺に言った。 「今の話、聞いていたか?」 『…さぁ。父さんが母さんと何を話していたかは知りませんが。』 瞬間、父は安心してかさりげなく冷汗を拭うと俺に笑顔を向け、母は俺の頭を撫でた。 「もぅ、遅いし寝なさい?明日もバイオリンのレッスンに、故橋先生もくるんでしょ?」 『故橋先生は来ないよ?バイオリンのレッスンじゃなくて、ピアノと着付けです。』 「あら、ごめんなさい。それより、早く寝なさい?」 俺は素直にベッドに戻るとドアから覗い(監視し)ている母に おやすみ と言って布団に顔をうめた。 それから直ぐに母からの おやすみ が返ってきてそのあとにドアを閉める音が聞こえた。
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