戦乱の世

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「嘘……、だよね……?」 四国は独立を賭け、4人の柱を走らせ 本州へ戦いを挑んだ。 絶対に負けられない戦いだからって そのうちの一本である父様達は家臣達を 連れて城を出た。 いつしかそれは四国全土に及び、 ついには城の外まで……。 長刀に自信のあった私は兄様の反対を 押し切り裏口から飛び出した。 そこで見た残虐な光景に息を飲み、 思わず口から出た言葉を嘲笑うかの ように妖艶を纏わせた紫の戦服を着た 男はこちらに視線を向け手から流れる 赤き血に舌を這わせる。 「おい、子供……讃岐国の者か」 「……だったらなんだ」 じんわり浮かぶ汗。 尋常ではない圧迫感。 「橘小五郎以下家族と家臣の 命を貰いに受けに来た」 頭の中で警告が鳴り響く。 “こいつはヤバイ” 「お前が……美羽姫か……?」 「そうだと言ったら?」 彼から目を離す事ができずに 「死んでもらおうか」 「いいだろう。 だが、簡単には死ねない。 この先には……絶対通さない……」 たた威圧感に圧されながら ゆっくり長刀を構えた。 「怖くないのか?」 深呼吸をして改めて相手を見据え、 「私は“ある方”を守る為の盾として 幼き頃より鍛練を積んできた。 お前ごとき倒せぬようならば、 恥ずかしくて死んでいった者達に 顔向けできん……」 私なら大丈夫だと言い聞かせる。 「君は面白い事を言うね。 誰かの為に―――」 “ジブンガシヌンダヨ?”
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