始まりは唐突に

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いつもどうりの学校。 その中でのありふれてる私の生活。 地獄が始まる日さえ、いつもと大した違いなんてなく、幸せな日常が続くと思ってた。 そう、最初はー、 ーーー 「うへぇー。眠い~」 欠伸を我慢できず、口を押さえて目を細める。 僅かに涙の膜が出来た目を見て、私の友であり、クラスメートでもある哀原春(あいはらはる)が、苦笑いする。 「眠そうやなー」 「うん。眠い…。」 欠伸は一度出たらなかなか止まってくれない。 何回も欠伸を繰り返す。 「それにしても…何なんやろ…。こんな早くにみんなを学校に呼び出すなんて。」 唯一、今日の朝にいつもと違っていたのは、8時30分までに登校、というのが今朝は7時30分までに来なければならないということだった。 そのおかげで…家から学校まで1時間歩かなくてはいけない私は、その分早く起きなくてはならず、今現在、睡魔と格闘しているのである。 「本当だよ!!昨日は塾があったから寝るの遅かったのにー!!」 それに、早く呼び出しておいて、7時30分になっても先生がまだ教室にいないとは、どういうことなんだ。 考えれば考えるほど、イライラしてきてしまい、なんとか苛立ちの気分を紛らわそうと、窓際まで歩き、空を見てみた。 飛行機も、鳥も、一切飛んでいない。空は薄暗く、風が強く吹いている。 あまり見ていても気分は晴れなさそうな空だった…。
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