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「これでいいか?
分かっただろ?俺達の関係が。」
それだけ言うと恒はあたし達の前から立ち去ろうとした。
「あの…!」
恒を引き止めたのは意外にも、結衣だった。
その声に足を止め恒が振り向く。
「えっと…あ、ありがとう。
あの時…逃がしてくれて。」
――クス
恒が小さく笑う。
「何、拉致った人間にお礼言ってんだよ。
あんたも馬鹿だな。
警察に突き出せばいいのに。」
「そんな…。
あと…純くんは?
純の容態はどうなの?」
恒の顔色が変わる。
「あいつならまだ意識不明。
気になるなら中央病院行けば?」
そして恒は踵を返し再度足を進めて行った。
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