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ところで…
どう死ねばいいのか?
首を吊る縄はないし、練炭もない。先程言ったと思うが俺は衣服以外本当に何も持って来なかった。
そこらにある岩に頭部をたたき付け続けるだけで良いと言えば良いんだ。
しかしそれは痛いだろう。
死ぬ過程で何の苦しみもないのが理想だがおよそ現実的ではない。
別に苦しみに来たわけじゃないのだから、わざわざ自分の頭を割るような方法は取りたくないしな。
………。
そうだ、こっちには妖怪がいるじゃないか。
そいつらにパクッと丸呑みにしてもらえば良いか。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
来ないな。
あれから同じ場所に留まって日が暮れてしまったが気配すらない。
既知の小動物の数種を確認できただけで現実の森と大差ない。やはり夜になってからが本番なのか?
そんなイメージはないんだが。
もうこのままこの場所で衰弱死しようか。妖怪に食べられたい、という考えだって最期に一目見てみたかっただけなのだと思う。
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