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「いやー、ユイちゃんの歌、思った以上にすごくて鳥肌だった」
そうして私は結局『キャスケット』に入部を決めて、その帰り道、ミネくんは自転車を押して歩きながらシミジミとそう漏らした。
と、鳥肌なんて……。
嬉しさと恥ずかしさが募って、返答に困って俯いていると、
「歓迎会のカラオケで聴いた時も、すげーインパクトだったしなぁ。やっぱ俺の目に狂いはない」
ミネくんは「うんうん」と頷いて、子供のようなあどけない童顔でニッと笑った。
なんて人懐っこい笑顔なんだろう。
この人見知りの自分でも、打ち解けやすさを感じさせる。
なんだかホッとする。
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