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何度見なければいけない?
俺じゃない俺に愛を囁くあいつ…
愛しいと思っている奴は夢の住人で
必ず助けられ、必ず息を引き取るんだ
《セシル……》
「俺は…セシルじゃない、善哉だ…」
そう、関丘善哉
俺の名前はセシルじゃない…
「はぁ…馬鹿か。」
誰に言ってんだ誰に
ノアは居ない、存在しないんだ
言った所で何になる
だけどあの深い蒼の瞳に見つめられたい
セシルじゃなく、俺を……
見てもらう事なんて一度も無い
それでも俺は、あの深い蒼の瞳以上に惹かれる瞳は知らない…
「ぜんちゃーん!遅刻するよー!」
「はぁ…今行くよっ!」
いつもと同じ朝から母の愛称呼びを聞いてワイシャツに手を伸ばした
そんな何も変わらない朝
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