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並んだ形の春馬と優に、友樹はゆっくりと近づく。そして、ゆっくりと両手を広げた。
「ちょ、友樹?」
「え、ちょっと待っ――」
ギュウッと、二人まとめて友樹は抱き締めたのだ。肩を抱かれ、一纏めになる。
「……恐かったね」
「…………っ」
優の身体が、小さく跳ねた。友樹の体に手が回る。
「痛かったろ?」
「……うん」
次いで春馬は静かに体を預けた。
「ちょっとくらいならさ、泣いてもいいと思うよ……?」
あーもう、ホントにムカつく。
込み上げてくるものを押し殺しながら、春馬は顔を友樹の肩に顔を押し付けた。
絶対に……声は出してやんない。
ポンポンと背中が叩かれるのを感じながら、春馬は決心した。
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