序
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序
最近都に妙なものがでるそうな。 なんでも夜な夜な楽の音が聞こえるそうな。 博雅殿でなく? 馬鹿な博雅殿はあんな下手な笛は吹かぬぞ。 では、いったいなんぞ? 見に行った男がおるらしいのだがなんでも気がふれてしまったそうな。 ならばあやしのものじゃあなおそろしや 晴明殿に知らせようか。 いやいや保憲殿じゃ。晴明殿は出かけておるゆえ。 ほう。とにかく頼みに行こうではないか。
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