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「よーーし。ちょっとひとつお知らせが。聞いとけお前等」
高木は机にある書類をかき集めながら話を始めた。
「昼間、この部屋を使ってるクラスが変わった。2年Sクラスだ。この学校の最高級だぞ。ま、誰が入ったってお前等には関係ないが、もうちょっと綺麗に使ってほしいとさ。ごみはちゃんと各自で持って帰る、帰る前に最低限の掃除はする。いいな?」
確認するように、高木はクラスの返事を待った。
「はあ?なんでそんなブスどものために俺等がそこまで頑張らなきゃいけねえんだよ」
和樹の横の、前田庄司(まえだしょうじ)が教師に向かってそう大声で叫ぶと、クラスは一斉に爆笑した。
「あぁ?ブスだろうが美人だろうが関係ねえ。常識だ、ガキ。」
こんな、教師生徒の敬語のけも聞こえない会話は、和樹たちの入学した頃から普通となってしまった。
「いや、確かに後から使うのが美人ならトイレだって掃除してやるよ」
和樹が付け加える。
クラスはまた一斉に笑い声をあげた。
高木はひとつため息を吐いて、諦めたのかそのまま黙ってしまった。
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