第1話 長いものには巻かれろ

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俺は本当に運が良い。 笑みを作ろうとする表情筋を必死に抑えながらも前を歩く1団に目を向ける。 そこにいるのは歴戦の勇者、とまでは行かないがギルドでそこそこの実績を残す者達。所謂中堅パーティが迫り来るモンスターをなぎ倒しながら、ダンジョンの奥に眠るといわれる秘宝を目指して進んでいた。 本来なら下位冒険者の俺が一緒に組めるようなパーティじゃない。 昨日親交を深めておいてよかったぜ。 俺は偶然の出会いと得意の話術に感謝をした。おかげでダンジョン攻略者に名を連ねることができるかもしれないのだから。 「皆ここで最後だ気を引き締めていけよ」 と、ここでこのパーティのリーダー(名前は忘れた)が声をかけてきた。 いよいよか。 俺達は今ボス部屋の前にいる。
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