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立ち込める腐った果実の様な匂い。それはここが人の目に触れない影にあることを示していた。
「本当に…ここで合ってるのか…?」
まだ昼だと言うのに薄暗い路地の突き当たり。そこにそれはもう不自然に取り付けられた様な扉を前に呟く。
こんな所に人が住んでいるなんて思えない…思えないが…
「まぁ…いるんだろうなぁ…」
経験則的に。
呆れて溜息をつきながら扉の取手に手をかける。
「え?ほ、本当に行くんですか?絶対騙されてますって、私たち」
後ろから情けない声が呼び止める。
「いや、俺もそう思うけどさ…。前回がほら、あれだったろ?地下とか」
「あぁ…」
「あそこよりはまともだろ」
「そうですけど…」
ええい埒が空かん。
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