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「藤原って急に冗談繰り出すからタチ悪いよね」 しかも心臓に悪いやつばかり。 そのからかいが、どれほどあたしの心を不安定にしてるか藤原には絶対分かってない。 藤原は微笑んだかと思えばあたしの背後に視線を移して目を細め、「あ~…」とため息混じりの声をあげた。 いきなり何? 「清水食い終わった?」 「うん…」 「行こーぜ」 「え、ちょっ……早!」 藤原が鞄を持って立ち上がったから、あたしも慌ててリュックを背負って財布を手に持った。 どうしたんだろう。 完全に席を立ってからあたしはさっきの視線を追うように後ろを見た。 「!!」 そこにいたのは… ファミレスの制服姿の、旭君。 「ああ旭くんっ!?」 あたしの声に旭くんが反応して、ちらっとこちらを見て微笑んだ。 オーダーをとる旭君は随分と様になっていて、バイトに慣れてる感を醸し出していた。 バイトしてたんだ……初めて知った。 「しーみーずー」 後ろから待ちきれない子供みたいな藤原の声が聞こえてくる。
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