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「…これから……ううん。要に会いに行くときは…」
私の心が整理出来た時か、要から呼び出された時か。
前者はいつまでも出来そうにないから、きっと後者かな。
「ま、いつでも言ってよ。要とはアンタより付き合い長いしね」
「ありがとう、菫」
菫は要とは小さい頃からの付き合いがある。その菫が気を付けろと言ったのが千華さんだった。
結局……なんにもどうにも気を付けられずだったけど。
菫と別れて私は寮に戻るために学校へと向かう。その足取りは重かった。
「……千華さん…か」
通りかかった店の硝子に自分が映る。その姿は子供そのもの。制服を着ているからじゃない。顔立ち、体つき…千華さんに敵うものは何もない自分がそこにいた。
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