第10話

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「…これから……ううん。要に会いに行くときは…」 私の心が整理出来た時か、要から呼び出された時か。 前者はいつまでも出来そうにないから、きっと後者かな。 「ま、いつでも言ってよ。要とはアンタより付き合い長いしね」 「ありがとう、菫」 菫は要とは小さい頃からの付き合いがある。その菫が気を付けろと言ったのが千華さんだった。 結局……なんにもどうにも気を付けられずだったけど。 菫と別れて私は寮に戻るために学校へと向かう。その足取りは重かった。 「……千華さん…か」 通りかかった店の硝子に自分が映る。その姿は子供そのもの。制服を着ているからじゃない。顔立ち、体つき…千華さんに敵うものは何もない自分がそこにいた。
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