番外編⑤

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    「ねぇ、神谷さん」 旅行のパンフレットに視線を向けたままで呼びかけると 「なんだ?」とぞんざいな言葉が返ってきた。 あれ?機嫌が悪い? さっき、一緒にパスタを作って食べたときは、ご機嫌だったはず。 せっかくの休日。 神谷さんが朝から家にいることは珍しい。 相変わらず多忙で、家をあけることが多い神谷さん。 だからこそ、今日は色んなことを話し合って決めてしまいたいと思っていたのに。 「コーヒーでも淹れましょうか?」 「いい。自分でやる」 神谷さんはプイとソッポを向くと、キッチンへと入ってしまった。 どうしたんだろう? この短時間の間に何かあった?
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