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「ア?大人しく俺のになれば」
「羽空っ」
幸見の言葉を遮り巨漢が登場する
走って来たのか
その勢いのまま飛び付かれて俺は地面と頭がゴッツンコ
「っっ痛いわ!アタシ怪我人!優しく労るべしっ!」
上に乗っかったままの脇山の背中をベシベシ叩くけど一向に動こうとはしない
チラッと幸見に助けを求めようと視線を向けるが直ぐに180°グルリと視線を反らす
だって明らかに
こめかみピクピクしてるもん
怒ってるの
確実だろっ
「会計様まで来たって事は、藤理は失敗したんだ。そりゃそっか……相手がアンタじゃ勝てる訳ないしねー」
そこまで言って
桂君はニヤリと笑った
「まぁ、藤理もそこまで甘くないけどねー」
それはどういう意味だ
そう口を開こうとすれば
バタバタと複数の足音と共に豪華メンバーが現れる
神代先輩率いる風紀
そして沖田先生率いる数人の生活指導員の教師
「筋肉まん…」
「っは、谷部!無事だったか!さすが俺の生徒だっ」
ガハガハ笑う沖田先生に俺も釣られて小さく笑った
「おぉ!脇山じゃねぇか!滅多に顔見せないから先生は寂しいぞ!たまには顔見せに来い!」
「………」
「そうかそうか!お前も先生に会えなくて寂しかったか!よしっ谷部もろとも、お前達の全てを受け止めてやる!さぁ!」
脇山は先生をスルーして、未だに顔すら上げない……
取り合えず
脇山のボサボサの髪を撫でる
「……沖田センセー」
驚愕して
今まで笑顔を崩さなかった桂君が初めて動揺を見せた
そして
俺は初めて見たんだ
「桂」
こんなに冷たく
悲しげな先生を………
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