東京マッドシティ 第一巻

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-------------------------------------------------------------- 外は雪がしんしんと降り積もっている。 東京に大雪が降るのも珍しく、僕はそれを何を考えるでもなく病院の中から見ていた。 今日の検査も終わりだ。 何の検査なんだろう、僕は今だに思う。 僕の身体は■■■と違ってそれほどやわではないはずだ。 精神的なもの、と医者に言われた気がする。 僕はガラスに息を吹きかけて曇らせてみる。 このガラスのように、僕は曇っているのだろうか。 僕の世界は、静止した世界のように、思い出に捕らわれているのだろうか。 わからない。 この自由のきかない子供の身では。 ■■■のお見舞いにも僕はたびたび顔を出していた。 なんだか、■■■と一緒にいると救われるような気がしたんだ。 ■■■は、いつも笑って、でも辛そうで、痛そうで、寂しそうで、でも、 とてもやさしい匂いがしたんだ。 ■■■が雪を愛おしそうに見る姿を見て、僕は思った。 雪がずっと降り続けて、ずっと世界を白く染め上げ続ければいい。 ずっとずっと、真っ白に。 僕は、そんな世界を求めたんだ。 --------------------------------------------------------------
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