501人が本棚に入れています
本棚に追加
/238ページ
「まずは、ライト様が残された[精霊契約の指輪]についてはご存知で?」
それを聞きライザードが首を捻る。
「いえ。
初耳ですな。
それは?」
「ヴィルトマ王女様が懇意とされていた精霊様と契約する為に嵌めておられる指輪にのです」
ドットが告げると…
マジマジとドットを見る、ライザード。
「実はですな。
私(ワタクシ)、ヨルンニッヒ殿、ライザード殿…そう貴方ですな。
この3人用の[精霊契約の指輪]が用意されております。
それ以外にも予備も数個ほどですな」
唖然としてドットを見るライザード。
「ただし。
その指輪を渡す判断はヨルンニッヒ殿に一任されておりましてな。
彼女自身が、まだその時ではないとの判断を下しております。
なので、彼女自身も[精霊契約の指輪]を得てはおりませぬ。
そして指輪の管理はロウ殿に委ねられておりましてな。
今までは保管されるだけで活用はされておらなんだのです」
そう教える。
人は欲望の生き物とも言える。
その様な品があると知れば欲しくなるものだ。
ライザードも、それを悟って頷いた。
「ですが…
異世界兎のステラ殿には精霊様と懇意となる才能がですな。
ステラ殿と共にありたい申す精霊様が多々現れましてなぁ。
彼女の大きさでは、とてもではないが精霊契約を行える程のマナを保有できませぬ。
ですが、この世界では身を守る術が無いのは危うい。
そう考え、ヨルンニッヒ殿へ指輪を渡した訳ですな」
そう告げられ、漸く納得したライザード。
ドットへ元の話しを進める様に促す。
「して、用向きは?」と。
「そのステラ殿が捕らえられていた賊のアジトをお伝えに参上した訳でしてな」
澄ました顔で告げる、ドットである。
最初のコメントを投稿しよう!