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「同じ男として、同情する。可哀想な次郎。大好きな女の子が難攻不落。」
「ぷっ。難攻不落って、隆、おかしいでしょ。違うって、私の予想だと、ジロさんは攻めてさえいないってこと。難攻不落は一応攻めてるけど、落とせないからでしょ。ジロさんは攻めてないと思う。」
なるほど。
好き過ぎて、嫌われたらとか思ったりとか?
普通に、今のままで十分って感じか?
イトちゃんが次郎の肩で寝ちゃったから次郎観察もひとまず小休止。
久しぶりの部活仲間との懐かしい話やら、恥ずかしい話やらを彩子とともに楽しむ。
彩子も終始笑顔だ。
「そろそろ、お開きだな。デザート食べる人?あと、飲み足りない人、最後の注文して。」
お開きと聞いて、次郎がイトちゃんを起こしだした。
なんだ、あの優しい顔!!!
あの優しい声!!!
有り得ない。
次郎、密かに注目の的なのに、気が付いてない。
おっ、起きた。
で、やっぱり、いちゃいちゃするのか?
ふーん、一応、次郎、説教とかするんだ。
全然怖くないし、ダメだ。
笑いが込み上げる。
なんか可愛いカップルの痴話喧嘩みたいになってるけど、完璧に次郎の負け!!!
あれが惚れた弱みってやつか。
ふと、隣の彩子を見る。
メニューを見てるね。
うん、俺も彩子と喧嘩したら負けるし俺が折れる気がする。
いや、実際、今まで何回、俺が彩子に謝ってきたか。
まぁ、彩子が謝る姿を見たら、俺の方が悪かったってなるって言うか・・・。
俺、次郎のこと言えないな。
苦笑。
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