苦難の道行く『脇役』

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街の隅っこ、不良たちがうろつく辺り。 「そぉい!」 バギッ 「がっ…!」 どさっ、と音を立てて倒れる不良の一人(ボンタン着用)。 …古いとか言わないでね、俺っちも思った事なんだし。 「にゃははは、自分の力量弁えてから拳振るいなよ、ザコ」 「ありがとう! 楝牙(レンゲ)!」 不良たちをフルボッコにして気分が上がっているところに、俺っちにとっては不快にしか取れない声が聞こえる。 おかげでテンションはだだ下がりだよ。 「…自分で首突っ込んどいて自らは何もしない、って人として如何なものなの? 魁(カイ)」 「ううっ…、ごめん。何かしたいんだけど、僕、強くないし…」 だったら一々首突っ込むな、って怒鳴ってあげたいとこなんだけど、今そんなことしたら俺っち狩られる。 理由は簡単、魁の取り巻きっていうか、ハーレムメンバーが五月蝿いからだ。 .
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