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2012年12月22日午前８時52分。
栃木県日光市の高校生を乗せた修学旅行のバスは東名高速に入ってすぐに車両のトラブルを起こした。
「江口さん、さっきから何か変な音がしてないですか？」
バスガイドの生駒類も異音に気付いたらしく、隣から心配そうに声を掛けてくる。
「あぁ。悪いが他の車に連絡して先に行かせてくれ。もう愛鷹に着くから、そこで停めるしかないな」
類が携帯で他の車両に先に行くように連絡を取っている頃、バスは愛鷹パーキングエリアに辿り着くことができた。
運転士の江口達成は、すぐに本社の指示を仰いだ。
週末ではあったがそこは客商売の観光会社である。
すぐに事務所待機の社員と連絡を付けることができた。
「どうでした？」
入社４年目の類にとっては運行中のバスが故障するというのは初めての経験であった。
「代車が来るらしいから、それまではここで待機だそうだ」
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