505人が本棚に入れています
本棚に追加
/653ページ
「そうだね。私からの命令。
ふふふ、厳しい命令だから覚悟しておいてね」
まるで小悪魔のような、いたずらな笑みをサエさんは浮かべていた。
「命令はね…
“この勝負の間で私が出した成績以上の成績をいつか叩き出す事”
だよ」
今度はテヘっとふざけたように笑いながらサエさんは言った。
「「へ?」」
まるで意味がわからない。
そんな命令をして、サエさんにどんな得があるのだろうか?
私とユキノちゃんが狐につままれたような顔をしているとサエさんが口を開く。
「実はね、来月いっぱいで私お店を辞めるんだー。
だから、私がやめても二人には頑張ってもらってお店を盛り上げてもらおうかなーって思っただけだよ」
「そうですか、来月に…って、えええぇー?」
あまりにサラっと言うので、思わずスルーしかけた。
サエさんが…辞める?
最初のコメントを投稿しよう!