プロローグ

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「あの、……俊輔」 「んー?」 「拓己のところには、もう行ったの?」  俊輔はぱちくり、と目を瞬き、 「今日? ……いや、まだ行ってないけど」 「……そう……」  制服姿でじっと佇む二ノ宮拓己の涼しげな横顔を思い浮かべる。  小さな頃からずっと一緒だった親友同士の二人だから、当然わたしより先に会いに行っているものだと思ったけれど、  考えてみたらついさっきまでわたしと一緒だった拓己とここにいる俊輔が先に顔を合わせているはずがない。
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