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僕の名前は松田翼。14才だ。
半年前。
フィギュアスケートのレッスンを受けるため。
アメリカのニュージャージー州へ留学してきた。
ツバサ?
もし、僕の所属してるスケートクラブでインタビューを行ったとしたら。
たぶん、みんな。
こんなふうに言うだろう。
「たしかに彼には、少しは才能があるかもしれない。でも、まだ。彼は子供だからね。世界へ出るためには、あと何年か、準備期間が必要だな」
くやしいけど。これが今のところ。
僕に対する大人たちの評価だ。
レッスンからプライベートまでスケジュールを管理する、コーチのミハイル・グリンコフも。
決して、僕を甘やかさない。
今日もそう。
週末のパーティに行かせてほしいと頼んだら。
彼は渋い顔をした。
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