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俺は立花雅史(たちばな まさし)
中1で、7月に13歳になったばかり!
ちなみに今は、夏休みが終わって間もない頃で、残暑がまだまだ続く蒸し暑い時期。
そんな中でも学生という身分である以上、学校に行く義務がある。
今日も朝から汗を流しながら学校へ。
人生で1度も染めた事の無い黒髪は太陽の熱を吸収してて、触るとメチャメチャ熱い。
まぁ例え白髪だったとしても、この暑さは誤魔化せないよな…うん。
とか何とか馬鹿な事を考えつつ、教室に着く頃には身体中しっとり汗ばんでて、ついでに首筋に汗がつたって気持ちわりぃ………。
けれど、それくらいで学校に行くのが面倒とかダルいとは思わない。
だって、学校って超楽しいじゃん!大好きだ!
「あ、雅史おはよー!」
「おーす!雅史!」
「よ!立花。今日も暑いよなー!」
「雅史!昨日のテレビ見た?」
学校が楽しい理由…それは友達がいるから。
それに、中学に上がって授業も幅広くなって、体育も音楽も家庭科も、得意分野がたくさんあるから充実感いっぱいの毎日を送ってる。
……まぁ、勉強は苦手だけどね。ははっ!
「おぅ!おはよ、みんな!!」
俺の周りにはいつもたくさん人が集まる。
いい友達、いい先生、いい両親……いい人たちに囲まれて、俺は恵まれてるんだなーって思ってた。
そう……………思ってた。
この幸せは変わらないと………ずっと信じてた。
………………………………………
………………………
ある日の放課後。
この時期は夕方になっても暑い……。
鈴虫の鳴き声でも聞こえればまだ涼しい気分になるんだろうけど、あいにく今は鈴虫よりも蝉の合唱のほうがよく聞こえる。
実はこの日は実力テストの成績があまりにも悪かったので、俺だけ居残りさせられてた。
まぁ、そんな俺に付き合ってくれた先生は優しいから好きなんだけどね。
……あ、その先生は男だから大丈夫。生徒と先生っていう禁断は無いから安心してくれ!
居残り授業も終わって「さて、帰ろう」と、靴を履き替えて少し歩いた所で忘れ物をしていた事に気がついた。
靴を履き替えるのが面倒と言うのと、こちらからの方が近いとの理由で、校舎裏にある裏扉から入ろうと試みた。
今考えると、正直に靴くらい履き替えれば良かったと後悔してる。
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