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「あ、これは長官が全て言っていた事ですよ。後は…頭脳は一級品と褒めていました。私としてはその見た目も一級品と思いますよ?」
「どうでもいいわっ!つーか、は、な、せ~…!ヒッ…!」
な、ななななな何で足を掛けてきた…!?そして腰を撫でている…!?
「キモいキモい…!おい、いい加減に…!」
足技を決めようとしたら、サッと離れた音宮。涼しい顔しやがって、しかもずっと笑顔だ。俺の反応を見て楽しんでるように見える…。
「案外可愛い反応ですね。ま、苛めるのはこの辺りにしましょうか。扉の向こうで誰か聞き耳立ててるようですし。」
気付いてたのかよ…こいつまじで人間か?
「今日は本当に挨拶に来ただけですよ。…では、失礼します。またお会いしましょう、“湊兎”局長。」
狐のように気味悪い笑みを見せて音宮は部屋を出て行った。
何だったんだ…と俺はソファに項垂れる。にしても、また面倒な奴が出て来たな…
俺に平穏という安寧はないのか…。
「…局長、失礼します。」
「おー…入れ…」
「……何だか疲れていますね。」
「アレは俺の苦手なタイプだ…」
「局長にも苦手なタイプとかあったんすね!」
「あ?赤根てめぇ…」
ダメだ。ツッコム気力も今は出ない。
「きょ、局長…今なら俺を叩いてスッキリしてもいいんですよ!」
「もじもじするな、ウザい」
「はあんっ…!」
たった一言で床で悶えてる乞灘を見て、あれだけで興奮するなんてやべぇな…と思った。
「局長、そんなにお疲れでしたら今日は公安局でお休みになって明日寮に戻られては?」
「…うん、そうだな幹。そうしよう。」
「でしたらシェフを呼びますか。局長、何が食べたいですか?」
「肉」
「局長、また肉っすか~?野菜も食べないとダメですよ!ほら!」
「赤根、お前は俺の母親か。なら野菜も持ってこさせればいいだろうが。」
「局長には肉より俺を食べて欲しいっ!」
「そういう事は寺鎚に言えよ。そしたら俺が萌えるから。」
「副局長じゃ興奮しません。」
「私もこんな変態は御免です。」
「あ、局長。コーヒーでも飲みますか?」
「ああ、さんきゅー幹…。幹みたいな嫁をもらって相川は幸せ者だな…」
「なっ…!ちょ、局長…!コーヒー倍にしますからね!」
なんだかんだみんな局長には甘くなる事が再確認された時間だった。
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