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バアンッと扉を開け中に入ると、そこには予想もしない人物が。
なんと、黒い長い髪を後ろで束ねた端正な顔立ちの男がソファに座ってる寛いでいた。
「…あ…?狸ジジィじゃない…?」
警視総監っつったよな?警視総監ってあの狸ジジィだよな?
何だこのかっこいい人。
「クス…目が点になってますよ、八王子局長。」
「え、いや…誰ですか」
「そうですね、私は新しい警視総監といいますか…」
「は?あの狸ジジィは?」
「ああ、クビになりました。」
………クビ!?
それニッコリ笑顔で言う事なんだろうか…
何でだ…警視庁長官は何を考えてる…?
「因みに、以前の警視総監を解雇して私を警視総監に就任させたのは長官ですよ。」
「ふぅん…滅多に表に出ない長官が何を考えてるのか、不自然を覚えるな。」
「それは、急に警視総監なんて重役をポイっと変えたんですから…疑問を抱くのは当然だと思います。」
そう言ってクスクス笑みを溢すこいつ。何だか寺鎚以来の食えない奴だな…
まだ寺鎚のが可愛げがあるぞ。とか言ったらまた軟禁されそうだから言わないけど。
「それで、就任したてに局長さんに挨拶に来たのです。
長官からも言われましたので。
私、音宮 雄一(おとみや ゆういち)と申します。今後共よろしくお願いしますね。」
手を差し出されたので握手をするが…これなら前の警視総監の方が扱いやすかったなと思うな…。
「…にしても、」
「ふがっ!」
いきなり両頬を掴まれ顔を上に向かせられる。そのせいで自然と音宮と目線がぶつかる訳なんだが…
「こんな可愛らしい顔をしてかなりの暴走家らしいですね。口もかなり悪いとか…それに手癖も悪いそうで。」
「あ!?」
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