有木直也の登場

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舞香はパニックに陥っていた。 震えはさらに酷くなる。 そして、 自分を支えられなくなったのか舞香はその場に崩れ落ちて行く。 「舞香!!!!」 凌は崩れ落ちる前に舞香の腕をつかみ立たせる。 そして、肩を抱きかかえ支えた。 「舞香、もう大丈夫だから、な?」 そういって凌はより強く舞香の肩を抱き締める。 それを見た直也は 凌を思いっきり睨む。 あきらかに直也は殺気立っていた。 「…舞香は困った子だなぁ。 君はいつも僕を困らせるんだ。 うーん、とりあえずお前 邪魔だから殺っちゃおうかな」 そう言って直也は凌にニコッと微笑む。 そんな直也から目を離すことなく 凌はさらに強く舞香を抱き寄せる。 再び殺気立つ直也。 しかし、凌たちに背を向ける。 「何それ見せつけてんの? 気に食わないねぇ。 まぁ、仕方ない。 今日のところは帰るよ。 舞香は絶対に僕に返してもらうから」 そういって 直也は元来た道へと帰っていった。 直也が帰ったあと 少しの間は誰一人動けなかった。
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