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「あのさぁ…、バ会長?俺そんなに暇じゃない訳。これから、朔のカバン取りに行って、それを持って、彼奴慰める為に飛んでかなきゃならない訳。分かる?」
そう言って、振り向けば…
思いの他肩を落としてシュンとしているソイツの顔に、毒気を抜かれる。
「…俺は…、俺はどうすればいい。…どうしたら、彼奴は許してくれる?」
「俺は朔じゃないから、わからない。けど、やる事はやりなよ。
あんたのやらなきゃならない事。あるだろ?」
…そう言うと、はじけたように顔を上げて…
その男は駆け出して行った。
「…はぁ。なんで、あんな敵に塩おくるような事…」
俺はその後ろ姿を見送りながらボソリと呟いて…
朔の教室に向かって歩き始めた。
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