心 愛 ~高校2年①

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「んん………ふぅ…」 やっと息が出来ると思ったら、今度は名残惜しそうに、唇を舐められた。 「ごちそうさま」 最後にはチュッと音をたてて、やっと唇から離れていった。 「ハァ・・・離せ」 「なんで?」 「離せっ!!」 義信の胸を押し、義信から離れた。 ベッドから下りようとしたら、足に力が入らないことに気付いた。 「腰砕けた?」 「……!!」 「腰砕けるほどのキスはお気に召さなかった?」 義信の悪気もない様子に腹が立った。 「お前は!もう俺に一生触れるなっ!!」 たかがキスで足が立たなくなるほど、翻弄された自分が嫌になった。 唇を思いっきり拭い去る。 「仁、堪忍してや。わい、仁に触れられなくなったら、生きていけへん。ほんま堪忍」 嘘泣きなんか信じない。 俺は怒っているんだ。 「わい、本当に仁が好きやねん。いつでもどこでも触れたいし、キスもしたい。それ以上のこともしたいんや」 「……」 「仁はわいのこと嫌いなんやろ?だから、触れられるのも嫌なんや」 「違っ…」 義信のことを嫌いなはずがない。 ただ、驚いたのと、いきなりで心の準備が出来ていなかっただけだ。 「キスは正直ビックリしただけで、触れられるのも、別に嫌では……」 「なら、もっと先進んでえぇ?」 「先って…」 「大丈夫。痛いことはせぇへん。一緒に気持ち良くなろう」 俺は、頬にキスをされ、またベッドに体を戻された。
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