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「すみません。
あの、寄ってみたい所が有ります。
ちょっといいですか…?」
あの時、毎日通った道を走る。
涙が出そうで窓の外を眺める
「懐かしいですか…?」
一言。
「悲しいだけです。
この道は…
悲しいことしか思い出せない。
楽しいこともあった筈なのに…」
この道を走りながら、どれだけ泣いただろう。
運転も出来ないほど、涙が止まらず何度車を停めて泣いたことか。
まだ…
一年以上経った今でも、
あの時の痛みは消えていなかった…
店の駐車場に車を停めて、
店の扉を開けた
懐かしいカウベルの音。
いらっしゃいませ。
の、心地いいマスターの声。
「毅!
どうした。
もう部屋を引き払ったんじゃ…」
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